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政治部 犬童文良(9月25日)(2008年3月16日01時34分  読売新聞)特撮怪獣映画「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」(河崎実監督、7月公開)に、モデルで女優の加藤夏希(22)が初主演し、スポーツ紙記者を演じることが27日、分かった。また「仮面ライダーカブト」やドラマ「ホタルノヒカリ」で注目された俳優加藤和樹(23)が、カメラマン役でダブル主演する。今月末にクランクイン予定だ。B、C型肝炎の治療に有効な抗ウイルス薬「インターフェロン」の治療費助成が4月から始まるのを前に、厚生労働省は27日、医療関係者向けに「医薬品・医療機器等安全性情報」を出し、副作用への注意をあらためて呼び掛けた。エジソンが蓄音機を発明、発表したのは1877年。蓄音機は音の再生まで成し遂げたが、フォノトグラフは音波を記録するだけで再生する機能はなかった(共同)2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会覇者のイタリアはアウェーでスペインに0―1で敗れた。ロンドンでスウェーデンと対戦したブラジルは、代表デビューしたACミラン(イタリア)の新鋭FWパトが決勝点を決めて1―0で勝った。(共同)   最近、日本では一時ほどMOT(マネジメント・オブ・テクノロジー)という言葉を使わなくなったようだ。そもそも、当地シリコンバレーでも、MOTという言葉をこちらから発しても、それを日々実践し格闘している当のアントレプレナーたちは一瞬ポカンとしている。こちらの意図を付言すれば勿論すぐ理解はする。ともあれ、日本側で代わっての合言葉は「イノベーション」と。古くて新しい永遠のアイドル的概念であり実践テーマだ。今回は、イノベーションの一方の牽引役であるハイテクベンチャー企業事例を一つ。技術キーワードはMEMS。この欄でもこれまで何度か取り上げた。 当地シリコンバレーにあるこの会社(S社としよう)は、その特許を保有するテクノロジーを利用して、光を扱う極小シリコンマシーンを製造している。いわゆる光MEMSと言われる領域のベンチャー企業だ。通常のシリコン半導体上に光MEMSを作り込む。典型的な技術開発・供与モデルベンチャーで、最初に開発した高性能ディスプレー・アプリケーションは、日系大手企業にライセンス供与され、その後、光学通信用のコンポーネント製品を中心に開発を進めている。このほか、フィルム原版を作成せずに刷版を作るダイレクト刷版方式のCTP(コンピューター・ツー・プレート)印刷機器用製品も開発した。以下、少し詳しくこの間の経緯をたどってみる。 会社の沿革はこうだ。1994年、スタンフォード大学のある教授が開発したGLV(Grating Light Valve)という技術を商品化する目的で会社が設立された。いわゆる「大学発ベンチャー」だ。トップVCから資金調達に成功し、そのスタンフォード大から特許を獲得。早速、翌年95年に、高解像度・ハイコントラストの画像を可能にした独自構造のGLVデバイスを製造した。その後1998年には、そのCTP印刷機用のGLV技術を提供する契約を欧州の大手企業と、またそのすぐ後には二つめのCTP印刷技術契約を日本の企業と締結した。GLV技術を使った機器を実際に出荷したのは、2002年の4月となった。 1998年当社は、権威ある国際ディスプレイ学会(SID)のシンポジウムで当該技術のアーキテクチャに関する研究結果を発表して非常に高い評価を受けた。さらに、99年5月に「ベスト・ペーパー」の栄誉を受けた。それ以来、GLV技術は、業界および学会から大きな関心を集めて行った。同じく99年に、Mayfield FundやIVP、その他のベンチャー・キャピタルから875万ドルの資金を調達し、高解像度ディプレイ市場向けのGLV技術の開発を継続して行く。パートナー探しも行い、2000年7月に件の日系大手エレクトロニクス企業との間に契約が交わされた。その相手企業による超大型プロジェクション・スクリーン等の製品開発につながっていく。 当社は、別途、光通信市場をターゲットにした開発も継続した。工場を持たないファブレス・メーカーであることから、製造パートナーを必要としていたことから、同じシリコンバレーにある製造工程を担える半導体企業と提携関係にあった。2年間の提携関係の後、2000年8月に、その半導体会社の完全子会社となってしまった。この辺がシリコンバレー企業らしい。 当地シリコンバレーはじめ米国では、最近はVC投資出口の85%がM&A(この場合、投資先企業の他社への売却、合併)というデータがあるくらい、大手・中堅企業の「イノベーション」実践は、自社でスクラッチから研究開発する代わりに、そこに特化している外部チーム、企業を買収するという方法論が主流かつ日常茶飯事になってきた。ポイントは、M&A後も、その被買収会社の中身は全く変わらない場合がほとんどであるという点。買収企業側から特に人も派遣しない場合が実に多い。「現状維持」という契約条件で買収が実行されるということでもあろうが、技術志向のアントレプレナーからすれば、会社経営(つまりは対外折衝も多いCEOほか業務)的な部分は、出来れば誰かにやって欲しい。ましてや、技術、製品開発担当者チームにとっては、会社オーナーが変わっても、特に同じシリコンバレー企業が相手ならなおさら、全く問題ない。つまり、他社の子会社化(オーナー変更)はS社自体としては、エンジニアによる会社経営からのいい意味での脱却でもあった。 そんな訳で、このブランドも維持されているS社「開発チーム」」は、買収された後も益々元気に製品開発していく。とくに今回の他社との合体を契機に、光ファイバー通信市場向け製品を提供できるようになった。2002年3月には、その旗艦(フラッグシップ)製品となる光通信産業用イコライザーを開発。同年4月に前述の通り、日欧の大手企業が各々、最初のGLVベースのCTPを出荷した。 このように、当社は、技術開発中心の会社で、典型的なシリコンバレーのスタートアップとして、スタンフォード大学で生まれ、その後技術の商品化の方向で苦しんだ時期もあった。コンピューター化したプレプレス(印刷前工程)分野から始め、高級プロジェクション・ディスプレイを開発し、最終的には光通信市場へ進出した。同社は、基本的な技術を様々なアプリケーションや市場向けに発展させる柔軟性を持っていた。また、マーケティング部門や製造部門を持っていないので、高い製造技術をもったOEM企業とのライセンス契約を求めてきた。ライセンス料によって、キャッシュフローやバランスシートがよくなったが、長期的に成長できる会社となるためにはそれだけでは十分ではなかった。 そこで、より開発型チームモデルを完結するためにも、そのマーケティング部門や製造部門をもつEstablished Companyとの合体を選んだわけである。そこには、買収企業側が持っていた、光通信分野での製品開発素地も魅力と写った。つまり、この買収企業側は、当S社チームが必要としていたマーケティング機能と製造機能を提供し、S社が得意の光関係の技術を獲得した。S社チームもGLV技術開発をより光通信分野に広めていった。 以上、あるMEMSベンチャーの大手企業との開発連携(実際は開発受託)、そしてその発展型としての合併買収過程をみた。MEMSは、アプリケーション開発段階に入ると実に多岐に亘り、半導体プロセッサーのような大量生産になじまない、個々ニーズに応じた、作りこみの多品種少量生産モデルとしてよく語られる。そんな意味でも、今回取り上げたような技術開発過程に徹するか、アプリケーション開発受託に回るか、さらには台湾企業的な受託生産(ファンドリー)モデルで行くか、天下分け目である。さらに言えば、一番スマート?なもう一つのモデルは、各種MEMSデバイスの開発ツール、ソフトウェア提供ポジションというソリューションプロバイダー型がある。これだと、製造過程から一歩距離を置きつつ、その生産工程に実は深く関わる。事業モデルを模索しながらもMEMSを新規事業領域として位置付けたいモノ作り系企業にとれば、この上ない助っ人となる。◆氏家 豊氏◆
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